2006冬


            この日は冬だというのに暑い日だった。


砂2


 砂浜の階段に座りボードやディンギーが揺らぐ様を見ていた。


   風が強かった。コーヒー


昔はこんな洒落た店などなかった。


  海なのに乾いていた。

だから「海」というところへ引かれていたのかも知れない。


 若い頃は。
    だが「大人」になった私にはちょうど良い店であった。



陰



  土産物屋でさえデザインされてる様な

 まるでショッピングモールに来たみたいな・・・


                海は黄昏れるにはちょうど良い場所。




だがもう耐えられる精神力もなく
   現実との狭間にこそいるから保てる所も有るなと思う。



2006冬2



砂2


  砂浜を歩いた。

        ただただ歩いた。


喧噪が夏休みのようだった。



脚


         ふと君を思い出した。
あれは先週だったか。
 色づいた落ち葉が風に舞っていた。


    その次の週だというのにこのエア    ポケットに落ちた様な日。



 まるで猛スピードで季節を巡った様な


   あの日を「昔」とでも言ってしまい   そうだよ


なぜ

上り坂

   人生がエスカレート式なら・・・


 20代の頃はそんな事を願ってた。



だがこの年に成って実生活でエスカレーターを歩いてしまう自分を


「生き急いでるかな」と思うときも有る。





そんな短時間で何もかにも出来るはずはないのに






   でも「出来るさ」という自信も同時に持ってる自分もいたりする。




ダ













突然強く叫んだり
 

 そんな気持ちに駆られて夜中に走ったり



       いきなり誰かに電話してみたり

  お金もないのにゲームセンターにずっと座ってたり



     ふた駅くらい歩いて、あげく線路をうろついてみたり


黄色




 時々君を思い出すよ

       あれからどのくらい経っただろうか



   僕の中の君はあの頃の「少女」から「女」へ変わる頃の君のまま

街で声かけられてもわかるのだろうか

            だから君は今でも美しい

 僕の中では

緑

 
 私と同じ「大人」の女性を見るとその人の「少女」の頃の笑顔を思い出す



   「思い出す」というのは可笑しいのかも知れない。

 でも思い出してしまうんだ。




       屈託のない笑顔を。



            目覚めると雨だった


グラス














 
        景色が鉛の色に染まっていた。


 そんな中で車だけが行き来している。



雨














                横殴りの雨

  だが細く、 ただただ細く白い線が空を走ってるようだった。



うにゅ














 目覚めても夢の続きと現実が交錯している。

        それでも今日は始まっている。


               シャワーを浴びる。




どうして
















     昨夜あんなに考えた事が「思い出」と変化しながら

 だが事実は事実として何も解決はしていない。




        夢の続き。




晴れ













            出かける時には雨は上がってた。


  まだあちらこちらが濡れたまま。

      空気は張りつめて冷たいが風はなかった。





   「今日」がまた始まった。






ピアノ



      この日も朝から雨だった



雨













         フロントガラスに雨粒が子供の様に遊ぶ。

流れ落ちてはまた新しい子がやってくる。



て

                道は少し混んだ。




          こんな日でもバイクはジグザグに入り込んでくる。

幾らかの鬱陶しさを感じながらも気にしない様に、気にしない様に。



ゆか














         大理石を歩く。

             目的の場所へ。



  サラリーマン達の笑い顔。


     神経質そうなOLがポケットに両手を入れヒールを鳴らしてる。


p1













     ふと目眩が。

         いや、現実なのか。



いや、夢か。



木


  
         マジョリティーの中の異端なのか



                      それとも。






ピアノ2

               雨、続く。


横断歩道














                   ただ、歩く。歩く。


p1














                       雨音。

     ひたすらぱらぱらと。


              ピアノの音、薄曇り。


  朝から研究室に静かに流れる。


             そんな中、制作が続く。




椅子


































          誰が弾いてるのか。

         雨音のピアノ。

              高輪の美術館に来ている様な空気。

 19の時は通いつめたね。  








脚














                  立ち止まってしまう。

    そして立ち尽くす。


          
            だが呆然とはしていないさ。



ぬめ















           なめらかに 

  なめらかに         

                      なめらかに

     そして静かに

                 だけど鳴り響く。

                           空気が廻る。



      空気が廻るよ


早朝

                   早朝の銀座は雨上がり。

         4月も後半だというのにかなり冷えた。



和光














    今日まで降り続いた雨ももう止み始めて来た。


          雲が動いてる。

               音のない重低音が空を駆け巡る。



   低く・・・




赤
















   冷たくなった身体とはうらはらに熱く沸騰し出す感情。

                      やはり冬が好きなんだな


            自分は。と。
      


                         そう思った。




志摩志摩

























      早朝だというのに誰に見せるのだろうショーウィンドウがきらめく。


  まるで独り言の様に。




きっさてん
















                            人がいた気配。

        かつてそこに。


 僕は存在するのだろうか。  そこに。


             いるのか。  いたのか。


   僕の気配は、匂いはそこにいさせてもらえるのだろうか。



      僕はどこにいるのだろう。

 自分で自分を捜してしまう。 この街で。






               かつて存在したこの街で。










風の強い日



            日曜日


                 遅い目覚め。



   風の音で目覚めた。



天窓















          君の夢を見ていた。


 君は不安げに微笑んでいた。


      僕は何か話しかけた。 なんて声をかけたんだろうか。




トルソ























  目覚めると昼近くだった。
 
                  携帯が点滅してる。

           君からのメールだった。



    屈託のない文。




花瓶















  明日、声は聞けるのだろうか。


                    明後日か。



           もしかしたらしばらくは会えないのかも知れない。




3色
















 今日は出かけない事にしよう。


                  テレビから流れる声。
        


     パスタを茹でる。






              長い午後を自堕落に迎える。








空間


                    狭い所は嫌い



金網














   膝を抱え頭を丸め込む様な

           そんな意識にさせる様な人も嫌いだ



ドア







               「閉塞感」




 という孤独なショーウィンドウ


             誰が見るでも無く だがさらし者で。



ダウンライト















     助けて欲しかったり


                 放っておいて欲しかったり。



      夢の中ではガラスの中のマネキン



 人々の視界に入るものの誰も疑視はしない。



                  だから誰も手を差し伸べない。





といれ






自分でわかってるから



         結局自分でそこを出る。



              よいしょっ とか言って。



    パフォーマンスなのか。



                        自作自演の




ガラス












  そしてまた浅い眠りにつく




















Fly me to the moon


               「私を月に飛ばしてよ」と。



道




































  そういうジャズの歌がある。


            そんな曲を思い浮かべながら眼下を視する。



 白鳥が羽を伸ばす様に手をのばし飛び立てれば。




              しばしそう云う事を普通に思える年に成った。




椅子















          良い人でいることの退屈さと



    偽善さ。



                    それは出来ない。






          出来ない。





          かといってわざと悪びれる気もない。




窓辺















   ただの「自分」でいたいだけなのに。




          何故それを誰も許してくれないのだろう。







ふわ
















 「オトナ」とは「一人に成る事」とはわかってた。



            でも、ひとりぼっちになることは考えてなかった。


 

                友は多い。





           だが、こんなにも孤独とは。




ぴざ
















  「Fly me to the moon」



          月へでも飛ばされて意識が薄れて行けるなら。







       そのまま消えて行けるなら。







               自分の存在を時々消したくなるね。






        時どき。




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